相続人の廃除
相続人の廃除とは、相続人の相続資格を奪う制度です。
相続の排除が認められると相続人ではなくなりますので、遺産を相続することができなくなります。
相続人の廃除が認められる事由
相続人の廃除が認められるためには、以下のどれかの要件が必要とされています。
虐待
被相続人に対して、暴力や耐えがたい精神的な苦痛を与えるなど「虐待」をおこなったこと
重大な侮辱
被相続人に対して、被相続人の名誉や感情を著しく害する「重大な侮辱」を行ったこと。
著しい非行
被相続人に対して、虐待、重大な侮辱と同じくらいの非行を行ったこと。
例えば、犯罪、素行不良、長期の音信不通などがあるとされています。
相続人の廃除の手続
廃除の方法には、①生前廃除と、②遺言廃除があります。
①生前廃除
被相続人が家庭裁判所に審判を申し立てます。
家庭裁判所は、相続人の改心等の諸般事情を総合的に考慮し、排除事由に該当する事実の有無を審理し、廃除の審判が確定すると対象者は相続資格を喪失することになります。
②遺言廃除
遺言執行者が家庭裁判所に廃除の審判の申立てを行います。
廃除の取消し
被相続人は、いつでも廃除の取消しを家庭裁判所に請求できるとされており、遺言により取消を求めることもできます。