「遺言の執行」とは、遺言の効力が発生した後、その遺言の内容を実現するために必要な処理をすることを言います。

そもそも、「遺言」の内容には、遺言者(被相続人)の死亡と同時にその効力が生じる事項(例:特別受益の持戻免除など)もありますが、誰かが具体的な手続や処理を行うことで、初めてその内容が実現できるという事項も多くあります。

このため、「誰が遺言の内容を実現するのか」ということが問題になります。

この点、遺言の内容は、本来、相続人が執行に当たるのが原則ですが、遺言事項によっては、相続人間の意見の不一致や一部の相続人の非協力などによって、公正な執行が期待できない場合がありえます。

そこで、法律では、遺言の執行に「遺言執行者」が関与することを認め、適正・迅速な執行を図ろうとしているのです。